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2018年11月09日
栄養部 赤石 定典
栄養部 管理栄養士
1991年3月 学校法人華学園栄養専門学校を卒業後、4月より東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部に勤務。管理栄養士として、患者さんへの栄養管理や栄養の重要性を広く伝えるために書籍監修、メディア出演にも関わる。
今年の夏は暑かった。とにかく暑かった。
11月になっても、20度を超える日が続いています。
こうなると、今でも夏バテを引きずっている方も多いのではないかと思います。
夏バテの原因は、室内外との温度差により自律神経が乱れたり、体温調整がうまくいかないことや寝不足、胃疲れによる食欲不振など様々です。
今回は、夏バテの原因の1つである、食欲不振にスポットを当ててみます。
食欲不振になる理由として、胃酸分泌が正常にされていない可能性があります。
大量の汗をかくと身体の水分は皮膚に奪われます。胃の水分も同じように失われます。
すると胃が正常に働かなくなるので、胃酸分泌を促進させるための食べ物が夏バテには有効です!
つまり、香辛料が効いた料理や酸味のある料理が効果的なのです。
具体的には、カレーや麻婆豆腐、酢の物、梅干。わさびを用いた料理ではそばやお寿司も良いでしょう。
酢の酢酸や梅干のクエン酸は胃酸分泌を促進するだけでなく疲労回復にも期待できます。
ただし、酸っぱ過ぎたり、激辛料理など刺激が強すぎるのは胃にダメージを与える可能性があるので注意しましょう。
また、胃が弱っていると感じている方は、胃の粘膜を保護してくれるネバネバ食材が良いです。
特に夏が旬であるオクラを使った料理はいかがでしょうか?
他にも注意したいこととして、冷たいものを取りすぎていませんか?
食べやすい麺類に偏っていませんか?いかがでしょう。
熱中症にならないためにも汗をかいた後に水分をしっかりと取ることは大切です。
確かに汗をかいた後に冷たい飲み物は美味しく飲めますね。
ただ、必要以上に冷たいものを摂取すると身体が冷えすぎて、だるくなりかえって食欲が低下しますので、温かいスープなどの料理を取り入れてください。
また、冷たい飲み物で気をつけたいのは糖質の取りすぎです。
食べやすい麺類が中心になると糖質に偏った食事になり、糖質をエネルギーへの代謝がうまくいかず疲れやすい身体になります。
糖質をエネルギーへの効率良く働きかけてくれる栄養素はビタミンB1になります。
ビタミンB1は豚肉に多く含まれていますので、ニラやにんにく、たまねぎ、生姜などと上手に組み合わせて積極的に食べてもらいたい食材です。
豚肉料理の定番である生姜焼きやスタミナ焼きはいかがでしょうか。また、ビタミンB1は夏のスタミナ料理の代表格である鰻にも豊富に含まれているので鰻丼もおすすめです。
これらを意識して、胃の調子を整えてしっかりと食べられる身体作りが大切です。
逆に食欲があるのに身体が疲れて夏バテを感じる方は、食べている料理を見直してみましょう。
たんぱく質は摂れていますか?
野菜や果物は食べていますか?
たんぱく質が不足すると血流が悪くなったり、免疫力が低下します。
たんぱく質は肉や魚、卵、大豆、乳製品に多く含まれているので、毎食の食事に必ず入れてください。
例えば、豚肉のスタミナ焼きや生姜焼きに鰻丼。かき揚げそばであれば、卵を加えて天玉そばにしたり、肉そばに変更すると良いと思います。
野菜や果物にはビタミン類やミネラルが多く含まれています。
特に意識して摂りたい栄養素はビタミンB群で、糖質や脂質の代謝に働きかけます。
ビタミンB群が不足していること夏バテの要因になっていても不思議ではありません。
ビタミンA、ビタミンCは日焼けした肌ケアに必要な栄養素の1つです。たんぱく質同様に野菜や果物も毎食取り入れてください。
他にも大切なこととして、3食しっかりと食べることです。朝に食欲がないからといって朝食を抜くと・・・身体が疲れやすくなります。
また、昼食をしっかりとなると胃への負担がかかります。
でも昼食も軽めにすると必要な栄養が不足します。つまり、夏バテを助長します。
1. しっかりと食べられる身体作りのためには、胃を正常に保つ
2. 食事内容に偏りがないか見直す(特にビタミンB群の摂取を!)
3. 三食しっかりと食べる
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