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2021年03月03日

血糖トレンドを見て、糖尿病治療を最適化する糖尿病・代謝・内分泌内科   教授 西村 理明

 平成29年の国民健康・栄養調査において、糖尿病の疑いがある人+糖尿病が強く疑われる人は併せて2000万人前後であることが報告されています。  糖尿病は放置すると、様々な合併症を起こし、生命に影響してしまいます。合併症を起こさないためには、血糖値をコントロールする必要があります。そのコントロール状態を評価する指標として、広く普及しているのはHbA1cです。HbA1cは過去数ヶ月の血糖値の平均の指標であるため、血糖値の様に食前や食後で変化することはありません。従って、患者さんは食事のタイミングを気にせず測定することができます。

 しかし、21世紀に入り、「HbA1cを目標値まで下げても、糖尿病患者さん生命予後が改善するわけではない」という報告が相次ぎました。すぐに、その理由探しが始まりました。その結果、判明したことは、HbA1cを下げようとしすぎて、低血糖を起こすことが、寿命を短くしてしまったのではないかということでした。

目からうろこが落ちた

 糖尿病患者さんにおいて、日々刻々変化している血糖変動の全容を見てみたいと思ったのは、留学から富士市立中央病院勤務を経て、2002年に東京慈恵会医科大学附属病院に戻ってきたときです。血糖値をコントロールすることが難しい1型糖尿病患者さんを多く担当していました。ある日、血糖値は1日24時間ずっと変化しているが、それを、数ヶ月の平均値であるHbA1cだけで評価していて良いのだろうか、血糖値の動き、すなわち血糖トレンドを見る方法はないのだろうかという考えが頭をよぎり、情報を集める様になりました。

 そして、運命の出会いがありました。たまたま、出席していたアメリカの学会展示で、血糖値を連続して測定している機器をつけている患者さんが、その機器のデモをしていたのです。そこで、質問を立て続けにしましたが、残念ながら、本機器が日本に導入される予定は全くないことがわかりました。 それから、どうにかしてこの機器を日本で使用することができないか、様々な人に会い、意見を聞き、アドバイスをいただきました。ようやく、2006年に本機器を並行輸入することが叶い、本学の倫理委員会の許可を得て、さらに使用する患者さん全員から同意を得て、当院で本機器の使用を開始しました。  その日から、血糖コントロールに関して、目からうろこが落ちない日は無いという日々を数年間、毎日過ごしました。


体が楽になりました

患者さんにCGMを装着する日々において、その方その方に適した、いわゆる通り一遍ではない、個別化した治療法を選択することができる様になりました。 「CGMを行ったら、血糖コントロールが良くなり体が楽になった」、「低血糖がなくなって不安が少なくなり、よく眠れる様になった」、「糖尿病のコントロールが良くなり自身がついて昇進した」、等々のうれしいコメントを多々頂戴したのも事実です。この様な活動が口コミで広がり、関東甲信越一円、時には海外から広く患者さんがいらしてくださる様になりました。


CGMの知見を糖尿病治療に結びつける

 私たちのグループは、CGMの知見を、2006年から機を見て学会や成書で報告してきました。また、治療法に関する臨床研究も多々行って論文にして参りました。その後、同様の活動が、全国の先進的な取り組みを行っている医療機関で行われる様になり、日本においてもCGMが必要であるという気運が高まりました。そして、2010年、本機器の使用に保険点数が算定できる様になったときは、万感の思いに浸りました。 以後、日本全国でCGMが使用される様になりましたが、CGMの有効活用法に関しては、我々の膨大な使用経験から日本をリードしていると自負しております。


最新の医療を常にお届けする

現在CGMを利用し、保険診療で行える最先端の医療として、適応となる患者さんは限られますが、インスリンポンプと連動しているCGMが、低血糖を予測してインスリンを自動停止して、低血糖をさける機器(写真1)、CGM機器が低血糖を予測した上で警告を発し、それを本人のみならず指定した人とスマートフォン経由で警告を共有できる機器(写真2)等があります。 いずれも、東京慈恵会医科大学附属病院糖尿病・代謝・内分泌内科外来で使用が可能です。

医師よりひと言

以上をご覧になり、血糖変動に悩んでいらっしゃる方、私どもに相談してみようとお感じになった方は、かかりつけの先生を通して当院の医療連携室に遠慮無くご連絡くださいます様、お願い申し上げます。

糖尿病・代謝・内分泌内科

教授 西村 理明

1991年東京慈恵会医科大学卒業。1997年同大学臨床系大学院(内科)修了。1998年医学博士取得。1998年Graduate School of Public Health, University of Pittsburgh修了(MPH取得)。2000年-2002年富士市立中央病院内科医長。2000年-2016年Adjunct Assistant Professor, Graduate School of Public Health, University of Pittsburgh。2002年-2006年 東京慈恵会医科大学・糖尿病・代謝・内分泌内科助手などを経て2018年より現職。
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