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生殖内分泌(不妊症)

2023年05月27日 現在

部長から皆さまへ

生殖内分泌外来では、妊娠を望まれる方に対し、一般不妊治療から生殖補助医療に至るまでの幅広い治療を行っております。早発卵巣不全や子宮内膜症の方、比較的高齢の方などへの卵巣予備能を意識しながらの不妊治療や、がん生殖医療など妊孕性温存治療にも力を注いでおります。

また、妊娠に向けての内視鏡(腹腔鏡・子宮鏡)手術は生殖医療担当医自身が手がけております。皆さんの妊娠に向けてのお力になれますと幸いです。


診療医長/岸 裕司

診療内容

当院では不妊症および不育症の専門外来を設けています。私たちは不妊症と不育症を別個のものとしてではなく、病態の一部を共有するものと考え、日々の診療にあたっています。この両専門外来間ではシームレスに治療を行い、さらには産科系外来とも緊密に連携をとることで、妊娠成立から出産に至るまで、継続的な医療を提供しています。

当院の特徴としては、卵巣予備能低下症例(早発卵巣不全など)の治療に豊富な経験を持つこと、若年がん患者さんの妊孕性温存のためのがん生殖医療に積極的に取組んでいること、また、大学病院の特色を活かし、合併症を持つ方の治療や手術を要する難治症例にも対応している点が挙げられます。

当診療科の得意分野・特色

不妊症外来の特徴

大学附属病院という利点を活かし、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどの疾患を合併している不妊症の方に対し、腹腔鏡や子宮鏡を用いた低侵襲手術を行っています。

悪性腫瘍などに対する抗がん剤治療や放射線療法により、妊孕性喪失の可能性がある患者さんに対して、男性であれば精子凍結、女性であれば胚や未受精卵の凍結を行うことで、妊孕性の温存をはかります。

一般不妊治療では、年間で約300周期の人工授精(AIH)を行っています。

生殖補助医療(ART)として、体外受精(IVF)および顕微授精(ICSI)をてがけ、年間約200件の採卵治療を行っています。日本産科婦人科学会の会告に従い単一胚移植を基本とし、凍結融解胚移植も積極的に行うことで、多胎妊娠の発生減少を心がけながら、妊娠成績の向上をめざしています。

40歳以降の高齢不妊症例や、若年で卵巣予備能の低下を来す早発卵巣不全症例など、難治症例に対する豊富な臨床経験があるのも当部門の特徴です。妊娠をめざす治療を中心としながら、残念ながら成果が得られなかった場合の、不妊治療終結の在り方についても、カウンセリングを含めた取組みを行っています。

不育症外来の特徴

不育症外来では不育症の原因に応じて治療を行っています。

抗リン脂質抗体症候群患者およびプロテインS欠損症などの血栓症素因患者に対するアスピリン・ヘパリン療法を中心とした抗凝固療法などを行い、約85%の成功率を得ています。

がん・生殖医療について

若い患者さんに対するがん治療は、その内容によっては卵巣や精巣などの性腺機能不全になったり、子宮・卵巣・精巣など生殖臓器の喪失により将来子どもを持つことが困難になることがあります。医療者と患者さんにとって、最大のゴールは病気を克服することであるため、これまではがん治療によるこれらの問題点には目をつぶらざるを得ませんでした。

しかし、最近はがん診療の飛躍的進歩によってがんを克服した患者さんの治療後の生活の質(QOL=quality of life)にも目が向けられるようになってきました。

子宮がんや卵巣がんに対する子宮や卵巣を温存する手術、放射線治療から卵巣を保護する手術、さらには生殖補助技術の進歩による精子や卵子、受精卵の凍結保存などは広く普及するに至っています。

最近では卵巣を組織ごと凍結保存して、がん治療の終了後に再度体内に移植する技術も確立されつつあります。
当院では精子凍結、卵子凍結、胚凍結、卵巣組織凍結が可能です。
現在、がん治療で通院中の方、これからがん治療を受ける予定の皆さんを対象に、がん治療による不妊の予防や対策についてご相談を伺います。

診療スタッフ

診療部長

岡本 愛光

診療副部長

佐村 修

診療医長

矢内原 臨、岸 裕司、竹中 将貴

診療医員

伊藤 由紀、白石 絵莉子、笠原 佑太、佐藤 琢磨、日高 三和、篠田 あかり、片倉 和香子

各専門外来・外来診療

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