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ペインクリニック

2021年04月01日 現在

部長から皆さまへ

慢性的な痛みは身体的な苦しみをもたらすだけでなく、意欲低下や気分障害など日常生活にもさまざまな悪影響を及ぼし、人生全体の損失につながります。当院は、このような慢性痛を全人的かつ多様なアプローチによって治療する体制を取っています。厚生労働省が推進する痛み治療の拠点病院(痛みセンター)として機能しており、整形外科や脳神経外科など他の診療科と連携をとりながら「痛みの学際的治療」に取り組んでいます。

また、痛みは癌や心臓病など命に関わる病気の警告信号であることがあります。総合病院としての利点を活かし、痛みが知らせる大切なサインを見逃さず、他科と連携しながら痛みと病気を克服するお手伝いを致します。

痛みでお困りの方はお気軽に当科にご相談ください。


診療部長/教授 倉田 二郎

診療内容

  • 薬物療法
    炎症などによる急性痛には、薬物療法が有効です。頭痛、筋筋膜性疼痛、神経障害性疼痛、遷延性術後痛、線維筋痛症など、さまざまな慢性痛に対しても薬物治療が有効で、内服治療により持続的な治療効果が得られます。通常の鎮痛薬に加えて、抗うつ薬、抗けいれん薬、オピオイド、漢方薬など薬剤を組み合わせ、お一人お一人に最適な処方を調整します。また、局所麻酔薬などの薬剤を点適で静脈内注射する治療法も行なっています。
  • レントゲン透視装置・超音波装置を用いた各種神経ブロック療法
    神経ブロックとは、局所麻酔薬により末梢神経での痛み伝達を遮断する治療法です。交感神経の活動を抑えることで痛みを緩和する効果もあります。急性痛(帯状疱疹後神経痛、急性腰痛症、椎間板ヘルニアなど)や慢性痛(慢性腰痛症、三叉神経痛、肩関節痛、遷延性術後痛など)に対して診断・治療目的に行なっています。
  • 星状神経節ブロックおよび近赤外線照射療法
    星状神経節ブロックは、全身の痛みや様々な症状に効果が認められてきた、神経ブロックを代表する治療法です。当科の創始者である故若杉文吉教授が確立し世界に広めました。穿刺による痛みや合併症の危険性がない近赤外線(レーザー)照射により同等の効果を得る治療法も行なっています。
  • 高周波熱凝固法・パルス高周波療法
    従来よく使われていた神経破壊薬に代わり、高周波による温熱・物理的作用により痛みの神経伝達を遮断する方法です。帯状疱疹後神経痛、神経根症、三叉神経痛などに対して行なっています。
  • 腰部交感神経節ブロック
    交感神経の働きを抑制し、痛みのある部位の血流を回復させる治療法です。下肢などの血行障害性疼痛に対して行なっています。
  • 脊髄刺激療法
    脊髄の近くに電極を留置して刺激すると、痛みが和らぐことがあります。充分に有効な場合には、刺激装置を腹部に留置する手術を行います。脊椎・脊髄センターと共同で難治性慢性痛・血行障害性疼痛に対して行なっています。
  • 硬膜外自家血注入療法
    原因不明の痛みには、脳脊髄液の「漏れ」が関係することがあります。この「漏れ」の場所に、ご自身の血液を注射することにより治療する方法です。このような脳脊髄液漏出症に対して、脳神経外科と共同で治療を行なっています。
  • 運動療法
    慢性的な筋骨格系の痛みには、運動療法が効果的です。正しい姿勢や毎日のストレッチなどを指導し、生活習慣を改善して痛みを治すお手伝いを致します。
  • 心理療法
    痛みからの治癒には「受け止め方」が大切です。臨床心理士と面談して頂き、痛みを正しく認知し対処する方法を身に付けて頂きます。認知行動療法や自律訓練法を行っています。

当診療科の得意分野・特色

  1. 全人的に痛みを治す診療
    「病気を診ずして病人を診よ」―慈恵会医科大学の理念は、そのまま理想の痛み診療を表しています。私たちは、第一にじっくり患者さんのお話を聴きます。身体的な「痛み」だけでなく、ご不安や悩みなど心の問題、ご家庭や社会の中での生き方をご一緒に受け止めます。痛みが軽減すると共に、心が晴れやかに、不安が少なくなり、よく眠り、人生をより健やかに生きられるようお手伝いします。

  2. 高い技術力による神経ブロック
    当科では、レントゲン透視装置や超音波装置を使って神経などを直接観察しながら適量の薬剤を慎重に用いる、安全性が高い神経ブロックを行なっています。神経ブロックの効果は一時的なことが多く、決して万能ではありませんが、適切な薬物療法と組み合わせることにより、慢性痛にも高い効果を発揮することがあります。脊髄刺激療法や腰部交感神経節ブロックなども、充分なトレーニングを受けたスタッフが安全に行います。

  3. 専門家による運動・心理療法
    運動には運動の、心理には心理のスペシャリストがいます。痛みを軽減させながら関節の動きを改善させ、同時にご自身でもできるような運動やストレッチなどの指導を行います。また、慢性的な痛みの捉え方や対処法に問題がある場合には、臨床心理士による認知行動療法を行なっています。

  4. 脳科学による痛みのメカニズム解明と治療
    痛みは脳で感じます。治りにくい痛みでは、脳の回路が変化していることが明らかになっています。その変化を、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使って研究しています。脳が出す「サイン」を見つけて、患者さんが「脳の健康」を取り戻し痛みから解放されるお手伝いをするのが、私たちの大きな目標です。

診療スタッフ

診療部長

倉田 二郎

診療医員

八反丸 善康

実績

2017 年度初診患者数

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