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上部消化管外科

2024年09月01日 現在

部長から皆さまへ

 新型コロナウイルス感染症が感染症法の「5類感染症」に位置づけられ,日々の生活は徐々に戻りつつありますが,外来・病棟内診療におきましては依然としてマスクの着用が義務付けられています.
 働き方改革関連法案ではこれまで医師は例外として対象から外されていましたが,2024年4月より対象となり,医師の時間外労働の上限が設定されました.それに伴い,手術説明や病状説明の時間は医師の勤務時間内に行う必要があり,ご不便をおかけしますがご理解下さいますようお願いいたします.
 この様な状況の中でも,われわれは変わらず患者さん本位の医療の推進,ならびに高度医療の提供と先端医療の導入に日々励んで参ります.
 食道癌,胃癌,消化管間質腫瘍(GIST)などの悪性腫瘍に対してはロボット手術を含め,可能な限り低侵襲な手術を選択し,患者さんが早期に社会復帰できるよう心掛けております.
 食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎,食道アカラシア,難治性十二指腸潰瘍などの良性疾患に対する腹腔鏡手術の実績を多数有し,術後の内服薬ゼロを目指します.2024年3月より食道が重度に屈曲した食道アカラシア患者さんに対して胸の方まで食道を剥離し直線化する腹腔鏡手術を開始しました.
 減量手術では,2020年11月に日本初となるお腹に傷が残らない内視鏡的スリーブ状胃形成術(内視鏡科と合同)を行いました.さらに2023年7月には,術後の逆流性食道炎を予防するために噴門形成術を付加した手術を日本で初めて行いました.
 今後も積極的に新しい術式を導入し,大学病院の使命を果たしていきます.  
 われわれ上部消化管外科のモットーは,皆さんに分かりやすい医療を提供し,患者さんのみならずご家族やお知り合いの方々までお任せいただけるような医療チームを目指していくことです.

診療内容

  • 良性疾患である難治性逆流性食道炎- アカラシア、病的肥満、悪性疾患である食道癌、胃癌- 消化管間質腫瘍(GIST)などに対し、食道- 胃外科班の専属スタッフが、最適な外科治療を目指して対応しています。
  • 治療前機能検査⇒確定診断と病態評価⇒治療方針決定⇒治療⇒術後評価という一連の流れを確立して診療に従事
  • 難治性逆流性食道炎- アカラシア- 巨大食道裂孔ヘルニアの腹腔鏡手術数の実績を多数有し、専門性の高い食道機能検査を行うほか、経口内視鏡的筋層切開術(POEM)や当院独自の手術法である食道筋層全周切開術など幅広い治療選択肢も提供しています。
  • 胃癌に対して根治性と機能温存を兼ね備えたセンチネルナビゲーション手術を行い、消化器外科指導医および内視鏡外科技術認定医が中心となって手術を担当しています。
  • 食道癌に対する治療は、従来の胸腔鏡下手術に加えロボット支援下手術を導入し、より低侵襲かつ安全な手術を行っております。また、内視鏡治療や化学療法- 放射線治療においても各専門医とカンファレンスを行い、個々の患者さんに合わせた最適な治療を提供しています。
  • 病的肥満症に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を2016年から、内視鏡的スリーブ状胃形成術を2020年から導入し、有効な治療成績が得られています。

当診療科の得意分野・特色

上部消化管(食道・胃外科)と下部消化管(大腸・肛門外科)の2つのユニットに分け、それぞれ専門医を配置しています。各ユニットとも、鏡視下手術(腹腔鏡手術)を積極的にとりいれることにより、手術侵襲の軽減を図り、さらに機能温存とともに術後障害の発生を抑えた手術を採用しております。
一方において進行癌例では拡大手術も行っています。
また癌疾患では、進行度に対応して、内視鏡部、腫瘍・血液内科や放射線治療部との連携により、集学的治療を行っています。減量外科外来を開設いたしました。

各専門外来・外来診療

No

専門外来枠名称

概要

外来診察日

主な担当医師

1

肥満外来

肥満に対する外科治療適応

月曜日(午後)
水曜日(午前・午後)

大城 崇司
宇野 耕平

診療スタッフ

診療部長

矢野 文章

診療医長

大城 崇司、藤崎 宗春

診療医員

湯田 匡美、宇野 耕平、黒河内 喬範、竹下 賢司、増田 隆洋、工藤 智大

実績

上部消化管手術件数の推移

2023年の主な手術件数は逆流性食道炎40例、アカラシア21例、食道癌14例、胃癌・胃GIST58例、減量手術15例でした。

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