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2023年06月16日 現在
感染症は、いつでも、どこでも、だれでも罹る可能性のある病気です。 最近では、新型コロナウイルス感染症の流行により、感染症診療の状況は一変しました。しかし、一般的な感染症がなくなったわけではありません。 当科では、引き続き感染性腸炎、渡航者の感染症、寄生虫疾患からHIV(後天性免疫不全ウイルス)感染症まで、広く感染症の診療をしています。「感染症かな?」と思われたら、当科を受診して下さい。
診療部長/教授 吉田 正樹
当院はエイズ診療中核拠点病院の指定を受け、現在700名程度のHIV/AIDS患者さんの診療を行っています。我々は患者さんと正しい知識を共有し、ともに治療に向き合うことができる環境を整えて診療にあたっています。2023年6月には専任薬剤師がチームに加わり、医師・看護師・ソーシャルワーカー・カウンセラーと共に、より良いチーム医療の提供を目指します。また外来ブースは全て個室であり、患者さんのプライバシーに配慮した診療を提供しています。さらにHIV/AIDS以外の疾患については、他の診療科と連携しており、総合的な診療を受けることができます。平日の午前・午後に加えて土曜日の午前中も外来診療を行なっているため、働く世代の患者さんには通院しやすい環境でもあります。
当科では2020年2月当初より、積極的にCOVID-19の診療にあたってきました。かかりつけの患者さんや、東京都や保健所から依頼があった患者さんの診療に関わり、これまで入院者数約2000人の診療やコンサルトに携わってきました(2023年5月現在)。我々はこの度のパンデミックに対応するため、感染対策部、内科系診療科、集中治療部、産婦人科、小児科、などの管理部門・診療科と連携し、患者診療と患者家族のケアを実践してまいりました。当初のCOVID-19は新興感染症であり、診断や治療が難しい感染症であったため、大部分の診療を感染症科が引き受けてきました。現在COVID-19は内科系診療科が一丸となって成人例を担当し、小児は小児科が、妊婦は産科が対応しています。そして5類への移行にともない、慈恵の全診療科がCOVID-19の診療に携わることになりました。感染症科は引き続き、他科の診療をサポートしつつ、重症例や難治例の治療に取り組んでいます。
No |
専門外来枠名称 |
概要 |
外来診察日 |
主な担当医師 |
---|---|---|---|---|
1 |
感染症外来 |
感染症全般(特にCOVID-19・HIV/AIDS・輸入感染症・不明熱精査など) |
月曜日~金曜日(午前・午後) |
吉田 正樹 |
診療部長 |
吉田 正樹 |
---|---|
診療副部長 |
堀野 哲也 |
診療医長 |
中澤 靖、保科 斉生 |
診療医員 |
中拂 一彦、李 広烈、宮島 真希子、坂本 洋平、澤木 賢司、田村 久美、宮本 智美 |
非常診療医長 |
堀 誠治 |
当科では、他の診療科からのコンサルテーションを受けています。近年はパンデミックの影響でコンサルト件数が減少傾向にありましたが、2021年度に320件であったコンサルト件数は、2022年度には409件まで増えました。コンサルテーションの内容は豊富で、主に内科系と外科系の診療科から、感染症の診断や治療についての依頼を受けています。その多くは細菌感染症に対する抗菌薬の選択や治療期間の相談ですが、ときにウイルスや真菌感染症、寄生虫症の相談も受けています。また感染症のフォーカス(病巣)検索や不明熱についての依頼も少なくありません。患者さんはもちろん、医師にも信頼される専門家を目指して院内で活躍しています。
COVID-19の診療は内科系診療科全体で対応するようになり、当科に入院する患者数は以前よりも少なくなりました。一方で、HIV/AIDSの入院患者数は増加しています。パンデミックにより検査の機会を逃しHIV感染の診断が遅れ、AIDSを発症したと考えられる症例を目にする機会も増えています。我々の科では、他の医療機関からの紹介例も含めAIDS患者を幅広く受け入れています。その他にも、肺炎や尿路感染などの一般感染症、輸入感染症、性感染症など患者さんの入院を担当しています。
COVID-19 | 78 |
---|---|
HIV/AIDS | 15 |
菌血症 | 7 |
肺炎(COVID-19以外) | 6 |
骨皮膚軟部組織感染 | 3 |
梅毒 | 2 |
寄生虫症 | 1 |
デング熱 | 1 |
その他 | 3 |
合計 | 103 |
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