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2024年04月01日 現在
循環器内科では、心臓や血管の様々な疾患を対象に診療を行っています。なかでも虚血性心疾患、不整脈、心不全などが多いですが、それらに影響を及ぼしている生活習慣病の改善にも留意しながら治療計画を立てています。
循環器病学の進歩は早く、次々と新しい薬剤や技術が導入されていますが、それぞれの患者さんの状態に合わせた最適な医療のご提供ができるように心掛けております。
診療部長/教授 吉村 道博
対象疾患・専門分野のご説明
急性心筋梗塞
全例、禁忌でない限り直ちに緊急カテーテル検査を施行して冠動脈の評価を行います。また、適応のある症例には血栓吸引療法や冠動脈インターベンション(PCI)による再灌流療法を行います。心筋梗塞におけるCCUでの死亡率は約6%であり、東京都CCUネットワークでの心筋梗塞の死亡率とほぼ同等の結果です。CCUにおいては急性心筋梗塞の治療の指針に基づき、血行動態の安定化と不整脈の管理などを集約的に行っています。最重症症例においては経皮心肺補助装置(PCPS)を用いながらPCIを行うこともあります。また、慢性期においては左室リモデリングの抑制を念頭に置き、ACE阻害薬やβ遮断薬などの投与を早期から積極的に行います。CCUには常時専門性の高い医師が待機しており、緊急の場合には迅速な対応が可能です。
不安定狭心症
最近では急性心筋梗塞と不安定狭心症をあわせて急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome:ACS)と言われるようになってきました。基本的な治療戦略は急性心筋梗塞に準じます。CCUに入室して頂くことが多くなります。多くは冠動脈インターベンション(PCI)による治療により良好な治療成果が得られています。また、狭くなった冠動脈の治療だけではなく、その後の再狭窄予防(二次予防)として積極的な降圧、脂質異常症の管理なども行っています。
急性大動脈解離・弁膜症・肺塞栓症など
急性大動脈解離は、速やかな診断が要求される疾患です。それを疑った場合は、早急にCT検査を行い、迅速な治療を目指します。心臓外科や血管外科と緊密に連絡をとり、緊急手術が必要な場合には24時間対処できるように努力しています。また、弁膜症については心臓外科と連絡をとり、適切な時期に手術を行えるように心掛けております。肺塞栓症は最近増えており、種々の治療法を患者さんの状態に合わせて慎重に選択しています。
心臓カテーテル 検査について
心臓カテーテル検査を施行できる医師が常に待機しています。夜間も当直およびオンコール体制をとっております。また、PCIの適応に関しては個々の症例においてテーラーメードの治療を行えるように心掛けています。毎週一回、心臓外科の医師と合同でPCIまたは心臓バイパス術などの適応を検討しております。術後の評価はCTや負荷心筋シンチグラフィなども利用して画像診断部の医師らと連携を取っております。必要があれば再PCIを行います。
頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療について
脈拍が速くなることで動悸を感じたり、危険な状態になるような病気を頻脈性不整脈と呼び、発作性上室性頻拍庄、心房頻拍、心房粗動、心房細動、心室頻拍、心室細動など、数々の種類があります。当科ではほとんどの頻脈性不整脈に対してカテーテルアブレーションによる根治手術を施行しています。カテーテルアブレーションとは、足の付け根から挿入した細い管を心臓に到達させ、手元からの遠隔操作で心臓の中にある不整脈の原因部位を焼いて治療する方法です。当科の特色は、心房細動のカテーテルアブレーション治療が開発された当初から15年間にわたって成績の改善と安全性の追求を続けていることです。少ない焼灼回数で高い効果が得られる独自の方法の開発に成功し、早期に治療を受けた方では90%以上の方が根治可能です。3Dマッピング機器やクライオバルーンアブレーションなどの最新鋭の治療機械を導入して心房細動以外にもほとんどの頻脈性不整脈に対して治療を行っており、年間治療症例数は約450例になります。治療希望の方はご相談下さい。
ペースメーカー治療について
ペースメーカーは、脈拍数が異常に遅くなってしまう病態に対して、前胸部に機械を埋め込むことで正常な脈拍数を保つために行います。洞不全症候群や房室ブロックなどの患者さんが対象となり、当科では年間60例程度の方に手術を行っています。また近年では、心臓の機能が悪い患者さん(心不全)に対して、心機能を補う目的で両心室ペースメーカー移植術も積極的に行っています。
植え込み型除細動器について
不整脈の中には、突然死の原因となるような致死的不整脈(心室頻拍、心室細動)があります。そのような方に対しては、適応を熟慮した上で植込み型除細動器(ICD)の植え込み手術を施行しています(年間約15例)。ICDは、ペースメーカーと同様の場所に植え込みますが、サイズはやや大きな機械になります。多くの方の命がICDによって救命されています。
TAVIについて
大動脈弁狭窄は高齢化社会に伴い増加の一途をたどっていると考えられ、潜在的な患者数は80万人にも上るとも報告があります。この病気の難しい点は重症の大動脈弁狭窄であっても、全く症状のない症例が少なくないため、その発見が遅れることです。しかし、ひとたび狭心症・失神・心不全などの症状が発現すると、その後の経過が極めて急速に変化し不良となります。治療としては、外科的な大動脈弁置換手術が原則となりますが、その必要ありと判断された時点で、高齢であることや基礎疾患等の理由により手術治療の適応にならない症例が約4割近くあるとの報告もあります。このような外科的手術適応の難しい症例に対しては、開心術ではなく、カテーテルを用いて大動脈弁を留置・置換することが、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)であり、当院においても2015年8月からこのTAVI治療を開始しております。
くわしくは循環器内科ホームページをご覧ください。
PCI、カテーテルアブレーション(特に心房細動)、TAVI、胸壁および食道心エコー、心筋シンチグラムなどを適宜行って、種々の心臓病に対して迅速な診断と治療を心掛けています。緊急度の高い心疾患や重症の心不全に対しては24時間体制で対応します。
CCUおよび心臓カテーテル検査室と隣接しています。
No |
専門外来枠名称 |
概要 |
外来診察日 |
主な担当医師 |
---|---|---|---|---|
1 |
不整脈外来 |
不整脈の診断と治療方針 |
金曜日(午後) |
山根 禎一 |
2 |
アブレーション外来 |
不整脈患者のカテーテルアブレーション治療の相談 |
木曜日(午前) |
德田 道史 |
診療部長 |
吉村 道博 |
---|---|
診療副部長 |
本郷 賢一、山根 禎一 |
診療医長 |
小川 崇之、名越 智古、小川 和男、田中 寿一、森本 智、德田 道史 |
本院のPCI件数は安定した推移を示しています。
なおPCIは本院および分院3病院でも行っています。
注1:2016年より葛飾医療センター、2022年より柏病院でも心房細動に対するカテーテルアブレーション治療を開始しました。
総合案内
係員にご遠慮なくご相談ください。
全面禁煙
病院敷地内は全面禁煙です。
マスク着用
院内における感染防止対策のためご協力をお願いします。