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2024年04月01日 現在
内科学講座 消化器・肝臓内科の診療は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓と多岐にわたり、それぞれの臓器に炎症性や機能性の疾患、悪性疾患が存在することから疾病数も多く、正しく診断をすることが大切です。そこで当講座では、「消化管班」「肝臓班」「胆膵班」「腫瘍班」の4つの専門分野に分け、各分野の医師が専門的な診療・治療を行っています。また、当講座が担当するのは、内視鏡検査および各種画像検査を用いた治療、化学療法と選択肢も多いことから、丁寧に各患者さんにあった治療を選択して提供できるよう努めて参ります。
建学の精神である「病気を診ずして 病人を診よ」をしっかりと胸に刻み、「消化器・肝臓内科にいけば必ずしっかりと治療してくれる」と、満足頂けるような診療科を目指して参ります。診断がつかずお悩みになっていたり、他院で治療が難しいと判断された場合でも、どうぞ一度ご相談ください。
診療部長/教授 猿田 雅之
くわしくは消化器肝臓内科ホームページをご覧ください。
当科は、「消化管班」「肝臓班」「胆膵班」「腫瘍班」という4 つの診療・研究班に再編成し、全消化管、肝臓、胆道、膵臓など消化器領域全ての疾患に対する診療・治療が可能な体制をとっています。
特に、潰瘍性大腸炎とクローン病、腸管ベーチェット病に代表される炎症性腸疾患の診断と治療に関しては当科の最も得意とする領域です。
さらに、消化器内科の専門性に加え、他領域の疾患の合併症にも対応できるよう、内科全般の診療にも精通しています。
潰瘍性大腸炎やクローン病、腸管ベーチェット病に代表される炎症性腸疾患(IBD)は、若年者に多い疾患ですが、慢性化し完治し得ないことから難病に指定されています。患者数は年々増加し、その病態解明と新規治療の開発が急務とされています。当大学でも患者数は激増しており、本院(図1)だけでなく、附属分院の柏病院、葛飾医療センター、第三病院の患者数を合わせると、3500名を超える患者さんが通院しています。
近年、多くの有効な薬剤が登場し、長期に安定した寛解状態を維持することができるようになりましたが、適切な薬剤選択と投与時期の判断が重要で、各種バイオマーカーや小腸内視鏡検査・カプセル内視鏡検査など特殊内視鏡検査も駆使し、患者さん一人一人に合った治療を受けられるよう配慮しています。さらに、IBDの病態解明と完治に向けた治療法が確立できるよう、様々な研究・国際治験も積極的に実施しています。
上部消化管(食道、胃、十二指腸)疾患では、ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う胃十二指腸病変(慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃癌、胃悪性リンパ腫)に加え、食道癌、逆流性食道炎、好酸球性食道炎などが対象疾患となります。さらに当科では、ヘリコバクター・ピロリ3次除菌治療や自己免疫性胃炎(A型胃炎)など特殊疾患の診断・治療・研究にも積極的に取り組んでいます。
肝炎ウイルスやアルコールなどの様々な要因により、肝臓が障害されると線維化が進行し慢性肝炎、やがて肝硬変に至ります。肝硬変に至ると年率約5-8%と高率に肝発癌を認めるため、これを抑止することが重要です。日常診療において定期的な血液検査と、腹部超音波検査(US)、CT、MRI検査等の画像検査による経過観察を行い、肝癌早期発見につなげています。また近年、肝硬変の1番の原因であるC型肝炎ウイルス(HCV)に伴う慢性肝炎および肝硬変に対する、従来のインターフェロンを使用しない直接型抗ウイルス薬(DAA)の内服治療が登場し、95%以上の極めて高い治癒率を示しています。HCVを治療により消失させることで、肝予備能の改善と将来的な発癌リスクが低下することが期待できます。さらに、切除不能進行肝細胞癌に対して、分子標的薬と免疫チェックポイント阻害剤の併用によりさらなる有効性が示され、一次治療として承認されました。当院でもこれらの治療が適応となる方に対して積極的に導入しています。
近年膵癌による死亡者数は増加し、肺癌、大腸癌、胃癌に次ぐ第4位となっています。膵癌は予後不良な癌として知られ、診断時に切除可能な症例は3割程度で、全体の5年生存率は1割以下、Stage Ⅰ(腫瘍径2cm以下)で診断しても5年生存率が約5割です。一方、腫瘍径10mm以下で診断した小膵癌では5年生存率80%が期待できます。このため当科では、膵癌の予後改善を目指した早期診断に注力することが急務と考えています。膵癌の危険因子には、家族歴、慢性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、糖尿病等があるため、これらを有する方を囲い込み、定期的に画像検査でスクリーニングを行うことが、膵癌の早期発見および予後改善に寄与する可能性があると考え、実践しています。US、CT、MRCPなどで軽微な膵管拡張や膵嚢胞性病変、限局性膵萎縮などの間接所見がみられた場合には、積極的に超音波内視鏡検査(EUS)を施行し、所見に応じてEUSガイド下穿刺吸引細胞組織診(EUS-FNA)や内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)を施行して確定診断を行っています。
我が国において、消化器癌は罹患率、死亡率ともに上位を占めています。切除不能な進行・再発消化器癌に対して、化学療法(抗がん剤治療)が治療選択となり、当科では専門外来を開設し積極的に取り組んでいます。化学療法外来は、国立がん研究センター等で研鑽を積んだ医師が、最新の医学的知見のもと診療にあたっています。また総合的な診療が可能である当院では、難しい病態や合併症のある場合でも、複数の専門科が連携し、極力副作用の少ない、安全で質の高い治療を受けられるよう配慮しています。さらに近年がんゲノム医療が注目されていますが、当科も国立がん研究センター中央病院と連携してがんパネル検査などのゲノム医療を積極的に取り入れております。また日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)や国立がん研究センター東病院が中心で行っているMONSTAR-SCREEN2の数少ない参加施設であり多施設共同臨床試験にも積極的に参加して、将来の医学の発展にも貢献しています。
No |
専門外来枠名称 |
概要 |
外来診察日 |
主な担当医師 |
---|---|---|---|---|
1 |
消化管・IBD外来 |
炎症性腸疾患の診断と治療 |
月曜日、水曜日、木曜日、土曜日 |
猿田雅之 |
2 |
化学療法外来 |
消化器領域の癌に対する化学療法 |
月曜日~金曜日 |
澤田亮一 |
診療部長 |
猿田 雅之:消化管、肝胆膵疾患一般(炎症性腸疾患、消化管疾患) |
---|---|
診療副部長 |
診療副部長:鳥巣 勇一:消化管、肝胆膵疾患一般(胆道、膵、肝疾患) |
診療医長 |
診療医長:山﨑 琢士:消化管、肝胆膵疾患一般(消化管疾患) |
診療医員 |
豊永貴彦、野口正朗、上田薫、西村尚、赤須貴文、秋田義博、中川千夏、鈴木静香、澁谷尚希、神岡洋、松本尚樹、原田健太郎、嶋田真梨子、中塚佳奈、有本里香子、菊地伊都香、古守知太郎、川村愛子、吉松里奈 |
病床数 | 54 |
---|---|
入院患者数 | 19,301名/年間 |
外来患者数 | 54,187名/年間 |
上部内視鏡 | 9,329件/年間 |
下部内視鏡 | 6,046件/年間 |
小腸内視鏡 | 94件/年間 |
カプセル内視鏡 | 114件/年間 |
胆膵内視鏡(ERCP) | 671件/年間 |
胆膵超音波内視鏡 | 655件/年間 |
胆膵超音波内視鏡下針生検 | 61件/年間 |
術後再建腸管に対する小腸バルーン内視鏡ERCP | 45件/年間 |
炎症性腸疾患の新規登録患者 | 潰瘍性大腸炎89名/年間、クローン病16名/年間、腸管ベーチェット病2名/年間 |
肝生検/肝腫瘍生検 | 48件/年間 |
ラジオ波など肝臓癌局所療法 | 41件/年間 |
経カテーテル的肝臓癌治療 | 45件/年間 |
消化器領域の悪性腫瘍に対する化学療法 | 進行・再発大腸癌 103名/年間、大腸癌術後補助化学療法43名/年間、食道癌 42名/年間、胃癌 28名/年間、胆道癌 9名/年間、膵癌 21名/年間、神経内分泌腫瘍5名/年間、神経内分泌癌1名/年間、消化管間質腫瘍4名/年間、原発不明癌1名/年間 |
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