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消化器・肝臓内科

2021年05月21日 現在

部長から皆さまへ

内科学講座 消化器・肝臓内科の診療体制について

内科学講座 消化器・肝臓内科の診療は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓と多岐にわたり、それぞれの臓器に炎症性や機能性の疾患、悪性疾患が存在することから疾病数も多く、正しく診断をすることが大切です。そこで当講座では、「消化管班」「肝臓班」「胆膵班」「腫瘍班」の4つの専門分野に分け、各分野の医師が専門的な診療・治療を行っています。また、当講座が担当するのは、内視鏡検査および各種画像検査を用いた治療、化学療法と選択肢も多いことから、丁寧に各患者さんにあった治療を選択して提供できるよう努めて参ります。
 建学の精神である「病気を診ずして 病人を診よ」をしっかりと胸に刻み、「消化器・肝臓内科にいけば必ずしっかりと治療してくれる」と、満足頂けるような診療科を目指して参ります。診断がつかずお悩みになっていたり、他院で治療が難しいと判断された場合でも、どうぞ一度ご相談ください。


診療部長/教授 猿田 雅之

診療内容

  • 潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管ベーチェット病に代表される炎症性腸疾患の診断と治療
  • 炎症性腸疾患に対する各種国際臨床治験の実施(潰瘍性大腸炎6試験、クローン病5試験 実施中)
  • 胃ピロリ菌感染および関連する胃癌の診断と治療
  • 悪性リンパ腫をはじめとした各種小腸腫瘍の内視鏡診断と治療
  • 自己免疫性肝疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎)の診断と治療
  • ウイルス性慢性肝炎および肝硬変に対する診断と各種抗ウイルスを含めた治療
  • 非アルコール性脂肪性肝炎の診断と治療
  • 肝細胞癌の診断と治療
  • 膵癌、胆道癌に対する各種内視鏡検査と画像診断を組み合わせた診断と治療
  • IgG4関連疾患(自己免疫性膵炎、IgG4関連硬化性胆管炎)の診断と治療
  • 急性膵炎および慢性膵炎、自己免疫性膵炎の診断と治療
  • 術後再建腸管におけるバルーン内視鏡による胆膵疾患の診断と治療
  • 超音波内視鏡を用いて消化管に近接する対象を穿刺する診断- 治療(Interventional EUS)
  • 進行期の各種消化器癌(食道癌、胃癌、膵癌、胆嚢癌、胆管癌、小腸癌、大腸癌、消化管原発神経内分泌腫瘍- 癌、消化管間質腫瘍(GIST)、原発不明癌)に対する各種化学療法
  • 各種術後補助化学療法


くわしくは消化器肝臓内科ホームページをご覧ください。

当診療科の得意分野・特色

多様な診療体制を提供

当科は、「消化管班」「肝臓班」「胆膵班」「腫瘍班」という4 つの診療・研究班に再編成し、全消化管、肝臓、胆道、膵臓など消化器領域全ての疾患に対する診療・治療が可能な体制をとっています。
 特に、潰瘍性大腸炎とクローン病、腸管ベーチェット病に代表される炎症性腸疾患の診断と治療に関しては当科の最も得意とする領域です。
 さらに、消化器内科の専門性に加え、他領域の疾患の合併症にも対応できるよう、内科全般の診療にも精通しています。

炎症性腸疾患の推移

潰瘍性大腸炎やクローン病、腸管ベーチェット病に代表される炎症性腸疾患は、若年者に多い疾患ですが、慢性化し完治し得ないことから難病に指定されています。
患者数も年々増加しており、その病態解明と新規治療の開発が急務とされております。東京慈恵会医科大学でも患者数は激増しており、本院(図1)だけでなく柏病院、葛飾医療センター、第三病院の附属分院をあわせると3000名を超える患者さんが通院しています。長期に安定した寛解状態を目指すだけでなく、同疾患の解明と完治に向けた治療法ができるよう臨床・研究・国際治験に邁進しております。

上部消化管疾患の特色

上部消化管(食道、胃、十二指腸)疾患では、ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う胃十二指腸病変(慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃癌、胃悪性リンパ腫)に加え、食道癌、逆流性食道炎、好酸球性食道炎などが対象疾患となります。さらに当科では、ヘリコバクター・ピロリ3次除菌治療や自己免疫性胃炎(A型胃炎)など特殊疾患の診断・治療・研究にも積極的に取り組んでいます。


肝癌抑止、早期発見に向けた取り組み

 肝炎ウイルスやアルコールなどの様々な要因により、肝臓が障害されると線維化が進行し慢性肝炎、やがて肝硬変に至ります。肝硬変に至ると年率約5-8%と高率に肝発癌を認めるため、これを抑止することが重要です。日常診療において定期的な血液検査と、腹部超音波検査(US)、CT、MRI検査等の画像検査による経過観察を行い、肝癌早期発見につなげています。また近年、肝硬変の1番の原因であるC型肝炎ウイルス(HCV)に伴う慢性肝炎および肝硬変に対する、従来のインターフェロンを使用しない直接型抗ウイルス薬(DAA)の内服治療が登場し、90%以上の極めて高い治癒率を示しています。HCVを治療により消失させることで、肝予備能の改善と将来的な発癌リスクが低下することが期待できます。さらに、切除不能進行肝細胞癌に対して、分子標的薬と免疫チェックポイント阻害剤の併用によりさらなる有効性が示され、一次治療として承認されました。当院でもこれらの治療が適応となる方に対して積極的に導入しています。

膵癌早期発見の取り組み

 近年膵癌による死亡者数は増加し、肺癌、大腸癌、胃癌に次ぐ第4位となっています。膵癌は予後不良な癌として知られ、診断時に切除可能な症例は3割程度で、全体の5年生存率は1割以下、Stage Ⅰ(腫瘍径2cm以下)で診断しても5年生存率が約5割です。一方、腫瘍径10mm以下で診断した小膵癌では5年生存率80%が期待できます。このため当科では、膵癌の予後改善を目指した早期診断に注力することが急務と考えています。膵癌の危険因子には、家族歴、慢性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、糖尿病等があるため、これらを有する方を囲い込み、定期的に画像検査でスクリーニングを行うことが、膵癌の早期発見および予後改善に寄与する可能性があると考え、実践しています。US、CT、MRCPなどで軽微な膵管拡張や膵嚢胞性病変、限局性膵萎縮などの間接所見がみられた場合には、積極的に超音波内視鏡検査(EUS)を施行し、所見に応じてEUSガイド下穿刺吸引細胞組織診(EUS-FNA)や内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)を施行して確定診断を行っています。

各種消化器癌に対する化学療法

 我が国において、消化器癌は罹患率、死亡率ともに上位を占めています。切除不能な進行・再発消化器癌に対して、化学療法(抗がん剤治療)が治療選択となり、当科では専門外来を開設し積極的に取り組んでいます。化学療法外来は、国立がん研究センター等で研鑽を積んだ医師が、最新の医学的知見のもと診療にあたっています。また総合的な診療が可能である当院では、難しい病態や合併症のある場合でも、複数の専門科が連携し、極力副作用の少ない、安全で質の高い治療を受けられるよう配慮しています。さらに近年がんゲノム医療が注目されていますが、当科も国立がん研究センター中央病院と連携してがんパネル検査などのゲノム医療に取り組み、多施設共同臨床試験にも積極的に参加して、将来の医学の発展にも貢献しています。

各専門外来・外来診療

No

専門外来枠名称

概要

外来診察日

主な担当医師

1

消化管・IBD外来

炎症性腸疾患の診断と治療

月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、土曜日

猿田雅之
加藤智弘
櫻井俊之
豊永貴彦
宮崎亮佑
澁谷尚希

2

化学療法外来

消化器領域の癌に対する化学療法

月曜日~金曜日
(午前)

澤田亮一
西村尚
石川将史
三國隼人

診療スタッフ

診療部長

猿田 雅之:消化管、肝胆膵疾患一般(炎症性腸疾患、消化管疾患)

診療副部長

診療副部長:鳥巣 勇一:消化管、肝胆膵疾患一般(胆道、膵、肝疾患)

診療医長

診療医長:光永 眞人:消化管、肝胆膵疾患一般(消化管疾患)
診療医長:及川 恒一:消化管、肝胆膵疾患一般(肝、胆道疾患)
診療医長:佐伯 千里:消化管、肝胆膵疾患一般(肝、胆道疾患)
診療医長:中野 真範:消化管、肝胆膵疾患一般(胆道、膵、肝疾患)
診療医長:櫻井 俊之:消化管、肝胆膵疾患一般(炎症性腸疾患、消化管疾患)

診療医員

山﨑琢士、豊永貴彦、澤田亮一、髙野啓子、西尾依里、富田陽一、上田薫、西村尚、宮崎亮佑、赤須貴文、横山志保、中川千夏、丸山友希、木下勇次、本田佳子、澁谷尚希、石川将史、嶋田真梨子、岩下祐子、三國隼人、中塚佳奈、齋藤知子、山本純平

実績

病床数66
入院患者数19,581名/年間
外来患者数49,647名/年間
上部内視鏡7,894件/年間
下部内視鏡5,151件/年間
小腸内視鏡203件/年間
カプセル内視鏡 114件/年間
胆膵内視鏡(ERCP)420件/年間
胆膵超音波内視鏡563件/年間
胆膵超音波内視鏡下針生検67件/年間
炎症性腸疾患の新規登録患者潰瘍性大腸炎72名/年間、クローン病20名/年間、腸管ペーチェット病2名/年間
肝生検/腫瘍生検腫瘍生検:74件/年間
ラジオ波など肝臓癌局所療法34件/年間
経カテーテル的肝臓癌治療48件/年間
消化器領域の悪性腫瘍に対する化学療法進行・再発大腸癌 82名/年間、大腸癌術後補助化学療法18名/年間、食道癌・胃癌 31名/年間、胆道癌・膵癌 42名/年間、神経内分泌腫瘍2名/年間、神経内分泌癌1名/年間、消化管間質腫瘍2名/年間、原発不明癌2名/年間

(2020 年度)

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