本文へジャンプ

代謝外来

2021年04月01日 現在

診療内容

当科におかかりのお子さま・ご家族の方へ

先天代謝異常症とは生まれつきある特定の酵素がなかったりその働きが低下したりするために、生体内の物質やエネルギーが不足したり、または過剰に蓄積することでさまざまな症候を引き起こす遺伝性の病気です。
その分類としてアミノ酸・有機酸・脂肪酸・糖・金属代謝異常、ライソゾーム病、ミトコンドリア病などがあります。

現在、その診断と治療は長足の進歩を遂げ、昔の不治のイメージからは一変しつつあります。慈恵医大小児科ではライソゾーム病を中心として先天代謝異常症全般に最新の医療を提供いたします。
具体的には遺伝学的検査・生化学的検査による診断や治療適応決定、酵素補充療法・シャペロン療法・基質合成阻害療法などを実施しています。

さらに2018年にオープンした遺伝診療部(川目裕診療部長)と連携し臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーによる患者さんやご家族への遺伝カウンセリングも行っております。

診療医員/教授 小林 博司

当診療科の得意分野・特色

酵素補充療法、シャペロン療法、基質合成阻害療法などの先進医療

酵素補充療法はゴーシェ病、ファブリー病、ムコ多糖症、ポンペ病などライソゾーム病を主な対象として行っており、現在までに80例以上の経験があります。また、ライソゾーム病の診療は多くの診療科にまたがることが多いため、慈恵医大では診療チームを作っており、他科との連携もスムースです。

現在、日本で行われている酵素補充療法に関してはほぼ対応可能であり、かつ国内でも有数の症例数を経験しております。また、2015年に薬価収載されたゴーシェ病基質合成阻害薬サデルガ、2018年より薬価収載されたファブリー病経口シャペロン治療薬ガラフォルドなどの新薬もいち早く採用しています。

疾患名 欠損酵素 一般名 商品名 用法 承認
ゴーシェ病 GC イミグルセラーゼ セレザイム 隔週 1998
ベラグルセラーゼα ビプリブ 隔週 2014
ファブリー病 GLA アガルシダーゼβ ファブラザイム 隔週 2004
アガルシダーゼベータBS 隔週 2018
アガルシダーゼα リプレガル 隔週 2006
ムコ多糖症 I(ハーラー) IDUA ラロニダーゼ アウドラザイム 毎週 2006
ムコ多糖症 II(ハンター) IDS イデュルスルファーゼ エラプレース 毎週 2007
ムコ多糖症 IV(モルキオ) GALNS エロスルファーゼ α ビミジム 毎週 2015
ムコ多糖症 VI(マルトラミー) ASB ガルスルファーゼα ナグラザイム 毎週 2008
ポンぺ病 GAA アルグルコシダーゼα マイオザイム 隔週 2007
酸性リパーゼ欠損症(LAL-D) LAL セベリパーゼα カヌマ 隔週 2016
低ホスファターゼ症(HPP) ALP アスホターゼα ストレンジック皮下注 週3回 2015

現在保険承認されている酵素補充製剤 赤字は当科で実施経験のあるもの

確定診断や治療のための生化学・遺伝学的検査

ゴーシェ病、ファブリー病などのライソゾーム病を中心に確定診断のための酵素活性測定、蓄積基質測定を実施し、さらにかずさDNA研究所と協力して遺伝子解析などの遺伝学的検査(患者さんご本人は保険適応)を行っております。また、遺伝学的検査の結果に関しては、遺伝診療部と協力して臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングも行っております。

基質合成阻害薬(サデルガ®など)の適応決定に必要な薬剤代謝に関する遺伝学的検査(CYP2D6など)も対応しております。

2008~2018年度のべ診療実績(単位:人) ムコ多糖症はI,II,IV型の合計

年度別酵素補充療法実績(単位:人) ムコ多糖症はI,II,IV型の合計

当外来で診療する主な対象疾患

糖代謝異常症 糖原病、ガラクトース血症など
アミノ酸代謝異常症 フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトリン欠損症など
有機酸代謝異常症 メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、グルタルサン血症など
ライソゾーム病 ゴーシェ病、ファブリー病、ムコ多糖症、ポンぺ病、GM1ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシドーシス、神経セロイドリポフスチン症、I-cell病、ニーマンピック病、異染性白質ジストロフィーなど
脂肪酸代謝異常症 カルニチン回路異常症、副腎白質ジストロフィー
ミトコンドリア病 MELAS、LEE症候群、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症など
金属代謝異常症 Wilson病、Menkes病など
核酸代謝異常症 Lesch-Nyhan症候群など
その他 新生児マススクリーニングで異常となった場合の対応・相談

各専門外来・外来診療

No

専門外来枠名称

概要

外来診察日

主な担当医師

1

酵素補充療法(ERT)外来

ゴーシェ病、ファブリー病、ムコ多糖症、ポンペ病などのライソゾーム病を主な対象とした、毎週もしくは2週間ごとの点滴静注による酵素補充療法を主に実施する専門外来。先天代謝異常症専門外来を兼ね、ライソゾーム病以外の代謝性疾患にも対応します。

月曜日
水~土曜日

井田 博幸
大橋 十也
小林 博司
櫻井 謙
保科 宙生
尾形 仁
角皆 季樹 

2

シャペロン療法外来

ファブリー病に対するガラフォルド®など経口シャペロン治療に特化した専門外来。

第3土曜日(午後)

小林 正久

3

小児遺伝外来
(於 遺伝診療部:新外来棟6階)

先天代謝異常症、先天異常などの遺伝性疾患の患者さんおよびご家族に対する遺伝カウンセリングに特化した外来。成人年齢に達している患者さん・ご家族にも対応します。小児科とは別エリア(遺伝診療部)の落ち着いた個室ブースで専任の認定遺伝カウンセラーとともに行います。

水曜日(午後)
金曜日(午前)

川目 裕(遺伝診療部長)
小林 博司
小林 正久
横井 貴之
原田 佳奈(認定遺伝カウンセラー)

関連リンク

  • 初診手続時間

    • 平日8時00分~11時00分
    •   11時00分~15時00分
    • 土曜8時00分~11時00分
  • 休診日

    • 日曜・祝日
    • 大学記念日(5/1、10月第2土曜)
    • 年末年始(12/29〜1/3)
  • 知りたいことが
    見つからない場合は

    • 症状検索

    • 病名検索