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小児脳神経外科

2023年04月19日 現在

診療内容

当科におかかりのお子さま・ご家族の方へ

「わが子が病気を持って生まれてくる」「わが子が大変な病気にかかる」ことを受け入れることができるご家族はこの世に存在するでしょうか?
それが何らかの障がいを持つ可能性がある中枢神経系の病気である場合はなおさらです。そんなご両親・ご家族の思いを受け止め、子どもたちの成長とともに歩んで行くのが我々小児脳神経外科部門です。

全国の大学病院に先駆けて大学病院附属の臨床部門として設立された当部門では、設立以来2,500名を超える子どもたちとそのご家族に出会い、治療に携わってくることができました。大学病院の強みとして、小児脳神経外科医だけでなくさまざまな専門分野の脳神経外科医が一堂に会し、患児一人ひとりの病態を検討することによってさまざまな意見を出し合い最適な治療法を選択するようにしています。そしてメスを入れる最初の治療の大切さを銘記し、ご家族と一緒に病気に立ち向かっていくように心がけています。

診療部長/野中 雄一郎

小児脳神経外科で扱う診療内容

小児脳神経外科部門で扱う疾患は、

  • 腫瘍:脳腫瘍、脊髄腫瘍、頭蓋骨腫瘍など
  • 髄液循環障害:先天性水頭症や腫瘍・出血・感染・嚢胞などに続発する水頭症など
  • 血管障害:もやもや病や動脈瘤、脳血管奇形など
  • 頭蓋骨縫合早期癒合症:頭蓋顔面骨疾患としてのアペール症候群、舟状頭蓋や斜頭蓋など
  • 二分脊椎症:脊髄髄膜瘤や脊髄脂肪腫など
  • キアリ奇形:脊髄髄膜瘤に伴う2型奇形など
  • 頭部外傷:硬膜外血腫や硬膜下血腫・脳挫傷など
  • 感染症:脳膿瘍など


など多岐に渡り、それらの病態のみならず治療に伴い出現する病態、成長に伴い出現する病態に対しても十分な知識と対応が求められます。そのため我々は可能な限りチーム医療(グループ診療)を実践し、関連する診療科やコメディカルと密接な連携を保ちながら診療を行っています。
外科的治療は、開頭手術をはじめ神経内視鏡を用いた手術(水頭症に対する第3脳室底開窓術、嚢胞に対する嚢胞開窓術、腫瘍生検術や摘出術)など、良好なQOLが望めるように安全かつ確実な手術を心がけています。また脊椎脊髄疾患に対しては各種神経モニターを用いて愛護的に手術を行い、クラリーノ症候群など非常に稀少な疾患も積極的に治療しております。そのほか頭部外傷や血管障害など緊急性が高い疾患も、随時救急外来などで診療し、緊急手術などに対応しています。

当診療科の得意分野・特色

多くの患児とご家族が当院を訪れ、セカンドオピニオン的な意見を求められることが多くなっています。
当部門では罹患した疾患が経過観察可能かどうかを見極め、外科治療の必要性がある疾患に対してはご家族に十分ご理解いただいたうえで行うよう心がけています。

胎児期に診断された水頭症や二分脊椎症などの先天性疾患

産科医師や助産師とともに患児の出生前から母親やご家族とかかわり、出生後は新生児科や小児医療に精通した看護師などとともに初期治療を行い、成長に伴って出現する問題に対しては小児外科や整形外科、泌尿器科と協力して治療を行っていきます。

頭蓋顔面奇形

形成外科とともに病態や形態など個々の状態に応じて治療時期や適応を決定し、頭蓋形成術や骨延長法を用いた頭蓋拡大術などを行っております。

さらに最近では顔面骨移動術などより高度な治療にも取組んでいます。

頭蓋変形(ヘルメット矯正治療)

医療機関からのFAXまたはWEB予約の上、「あたまとかおの形外来」または「小児脳外科(一般)」を受診して頂き、頭蓋変形の診断や変形の程度を診察させて頂きます。ヘルメット矯正治療の詳細については外来受診時にご相談ください。

脳腫瘍・脊髄腫瘍

小児科医でもあり小児脳脊髄腫瘍治療の世界において第一線で活躍中の柳澤隆昭先生を中心に、新たに病変が見つかってしまった患児のみならず、他院で治療を受けるも難渋している患者さんを診察しています。

胚細胞腫や星細胞腫、上衣腫や頭蓋咽頭腫、類皮嚢胞や頭蓋骨腫瘍などさまざまな腫瘍に対し、経過観察できるものか、外科的治療が必要なものかを見極め、診断から手術可否の決定、その後の治療・経過観察に至るまでを小児科血液腫瘍班の先生方と共に相互に協力し合いながら行っています。これまで何らかの外科的・内科的治療がされつつも改善が得られない患児に対しては必要に応じて組織診断や摘出目的の手術を行い、免疫治療を含めたさまざまな治療を展開しています。

各専門外来・外来診療

No

専門外来枠名称

概要

外来診察日

主な担当医師

1

小児脳外科(一般)

頭部外傷、キアリ奇形、脊髄空洞症、もやもや病、脳動静脈奇形などの診療を行っています。その他先天奇形の診断、治療後の経過観察をおこなっています。MRIなどの画像検査は、可能な限り撮影当日に説明できるように心がけています。また臨床心理士による発達・知能検査も随時行い、患児の病態のみならず成長発達を見守っています。

火曜日
木曜日(午前)
金曜日(午後)

野中 雄一郎(木・金)
増本 愛
廣津 竜也(火・金)

2

小児脳脊髄腫瘍

小児科医でもあり小児脳脊髄腫瘍治療の世界において第一線で活躍中の柳澤隆昭先生を中心に診察しています。さまざまな腫瘍に対し、診断から外科的治療の必要性、化学療法、その後の経過観察に至るまでを小児科と協力しながら行っています。

火曜日
水曜日

柳澤 隆昭

3

二分脊椎

脊髄髄膜瘤や脳瘤、脊髄脂肪腫や脊髄終糸肥厚などの二分脊椎症に対しする診断と治療の決定、合併する水頭症に対する外科的治療の決定、術後の経過観察などを行っています。

木曜日(午後)

野中 雄一郎

4

あたまとかおの形 外来

アペール症候群に代表される症候群型頭蓋骨縫合早期癒合症や舟状頭蓋・三角頭蓋・斜頭蓋・短頭蓋などの非症候群型頭蓋骨縫合早期癒合症を中心に、形成外科とのグループ診療で診断および治療方針の決定を行っています。

月曜日(午後)
▲第2・4週

野中 雄一郎
宮脇 剛司
廣津 竜也

診療スタッフ

診療部長

野中 雄一郎

診療医長

増本 愛、廣津 竜也

脳神経外科教授

柳澤 隆昭

実績

脳神経外科学講座の手術件数の推移

小児脳神経外科部門における新規外来患者数と手術件数の推移

関連リンク

  • 初診手続時間

    • 平日8時00分~11時00分
    •   11時00分~15時00分
    • 土曜8時00分~11時00分
  • 休診日

    • 日曜・祝日
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