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小児外科

2025年10月01日 現在

部長から皆さまへ

当診療科は、母子医療センターの一員として、子どもたちの健やかな明るい未来のため、小児外科疾患に対して、胎児、新生児から子どもの時期を経ておとなの世代へと連なる健全なライフサイクルに対する継続的な医療を目指しております。すべての小児医療領域のスタッフと連携を密にし、子どもたち、そしてそのご家族に寄り添った医療を提供します。また、大学病院として、世界をリードしている他の診療科との連携や、成人領域での治療経験が豊富な成人外科チームと協力し集約的治療が行えることも特徴です。
病気で苦しんでいる子どもが手術を受け、その後、病気に負けずに成長していく姿や笑顔を見ることができた時、我々小児外科医は他では得られない最高のやりがい・喜びを感じます。

診療部長/准教授 黒部 仁

診療内容

  • 母子医療センターの一員として産科、新生児科、小児科、関連各科とのチーム医療
  • N棟1階の母子医療センター外来で診療
  • 新生児(出生前診断)から15歳以下の小児が対象
  • 呼吸器・消化器疾患に加え、小児の泌尿器や婦人科の外科的疾患の診断と治療
  • 小児外科疾患の手術後の患者さんで成人に達している方々の定期診療
  • 15歳以降でも小児外科が取り扱っている疾患の患者さんや小児科で治療を受けている心身障害児(者)に対する手術
  • 救急患者さんに対しては24時間、365日体制で対応
  • 小児外科一般外来と専門外来(漏斗胸・胸郭変形外来、舌小帯外来、消化管機能外来、出生前診断外来、小児泌尿器外来)

当診療科の得意分野・特色

当診療科の得意分野・特色

  1. 出生前診断から診療に携わり、超低出生体重児を含めた新生児の治療の経験が豊富
    妊娠中から分娩時期や分娩方法、出生後からの治療について新生児科と連携して計画的に行うことで治療成績も向上しています。2015年には新生児科、麻酔科、産科、看護部、手術部をはじめとする関連各科の協力を得て先天性気管閉鎖の患者に対してEXIT(帝王切開による分娩時に臍帯の血行を保ちながら胎児に処置を行う手技のこと)による気管切開に成功しました。また、500g前後の超低出生体重児の肺や腸管の手術も可能となり、超低出生体重児に対する手術はNICU内で迅速に行える体制を取っています。
  2. 鏡視下手術の積極的導入
    鏡視下手術を早くから取り入れています。日本内視鏡外科学会技術認定医が治療に携わり、多くのスタッフが慈恵医大式鏡視下手術のライセンスを持っています。
  3. 東京都小児がん診療病院
    小児がんに関して高度な診療提供体制を有する医療機関として「東京都小児がん診療病院」に認定されています。小児外科では、小児科の血液腫瘍班や病態によっては成人外科や他科とも連携・協力して、小児固形腫瘍(神経芽腫・ウイルムス腫瘍・肝芽腫・その他の軟部組織腫瘍など)に対しても、最良の治療を提供出来るような体制を取っています。
  4. 専門外来(漏斗胸・胸郭変形外来、舌小帯外来、消化管機能外来、出生前診断外来、小児泌尿器外来)の開設
    漏斗胸、舌小帯短縮症、小児泌尿器科疾患などは経験豊富な小児外科医が専門外来で担当しています。漏斗胸に対する治療(手術)は2001年から始まり、約25年間に約650例のNuss手術を経験しており、国内有数で、近年の年間手術数は約30例前後で推移しています。豊富な経験に基づき、手術方法も年々改良を加え、より安全で、より高い治療効果を目指しています。舌小帯短縮症に対する治療では手術適応を厳格にし、更に、術前後のリハビリテーションを加えることで、年齢、成長に合わせた治療を提供しています。小児泌尿器科疾患は、病態が複雑で、また、長期に経過を診ていく疾患が多く含まれます。日本小児泌尿器科学会認定専門医が診療に携わり、小児泌尿器を専門とする小児外科医と小児科医が連携し、対応しています。消化管機能外来では、食道インピーダンスpHモニタリング検査、直腸肛門内圧反射検査、直腸suction biopsy検査、造影検査などに精通した小児外科医が診断と治療を行います。

実績

2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
総手術数308322289298296
新生児手術111616209
<主な手術>
鼠径ヘルニア(LPEC法)3140493042
鼠径ヘルニア(Potts法・陰嚢水腫)335814
臍ヘルニア1722151642
停留精巣3121142527
先天性食道閉鎖症00250
胃食道逆流症・噴門形成術14120
横隔膜ヘルニア00210
肥厚性幽門狭窄症35256
先天性腸閉鎖・狭窄症00202
腸回転異常症01310
新生児消化管穿孔25612
急性虫垂炎14533
直腸肛門奇形43105
Hirschsprung病14221
胆道閉鎖症・胆道拡張症12311
悪性腫瘍21245
膀胱尿管逆流手術(解放・Deflux)45694
水腎症手術12301
尿道下裂36116


図1
<漏斗胸(Nuss法)の手術実績>

図2
(全身麻酔)

図3
(局所麻酔)
<舌小帯短縮症の手術実績>

各専門外来・外来診療

No

専門外来枠名称

概要

外来診察日

主な担当医師

1

漏斗胸・胸郭変形外来

漏斗胸を中心とした胸郭変形の専門外来です。漏斗胸に対しては、Nuss手術を推奨しています。成人の漏斗胸の患者さんも診療します。

水曜日(午後)

宮國 憲昭

2

小児泌尿器外来

膀胱尿管逆流症・水腎症・尿道下裂など泌尿器疾患の専門外来です。小児の泌尿器疾患に関する診断・検査・治療を行います。

木曜日(午後)

内田 豪気

3

出生前診断外来

出生前診断された疾患に対し、ご両親に対して疾患と治療の説明を行います。

水曜日(午前)

金曜部(午前・午後)

黒部 仁

黒部 仁・大橋 伸介(交代制)

4

消化管機能外来

小児の胃食道逆流症(GERD)や慢性便秘など、消化管の運動機能に関する疾患の専門外来です。検査(評価)・薬物療法・生活指導も行います。

月曜日(午後)

大橋 伸介

5

舌小帯外来

乳幼児の舌小帯・上唇小帯短縮症に対する診断・治療(手術)を行います。

月曜日(午前・午後)

杉原 哲郎

主な疾患と治療法

診療スタッフ


診療部長 黒部 仁
診療医員 大橋 伸介、内田 豪気、杉原 哲郎、宮國 憲昭、広原 和樹

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