2024年04月01日 現在
NICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室)は、出生予定日より早く生まれた赤ちゃん、体重が小さい赤ちゃん、病気を持って生まれてきた赤ちゃんなどが集中治療を受けるために入院する場所です。
NICUでは専属の小児科医および看護師が24時間体制で治療や看護を行っています。
診療医長/准教授 小林 正久
当母子医療センターのNICU部門は、東京都周産期医療ネットワークの一員として、地域周産期施設として認定を受け、東京都内および都外近隣地域で出生した入院加療を必要とする新生児の受け入れを24時間体制で行っており、NICU12床、GCU(Growing Care Unit)24床から構成されています。 内科疾患にくわえて、外科疾患に関しても小児外科、小児心臓外科、小児脳神経外科、形成外科などと協力を密にしながら、手術などの外科的処置を要する新生児も積極的に受け入れております。
また、救命救急的な治療もさることながら、赤ちゃんとそのご家族のQOLの向上を日常の医療の最重要課題と考えております。入院中における病棟内でのファミリーケア、ソーシャルワーカーを交えた社会的サポート、臨床心理士を交えた心理的サポートなど、赤ちゃんとご家族を中心とした包括的、全人的な医療を目標として努力しております。
NICU部門が対象とする疾患は、早産・低出生体重児のみならず、先天奇形などの外科疾患など多岐にわたります。
人工呼吸器管理、NO吸入療法、低酸素性虚血性脳症に対する脳低温療法や急性腎不全・代謝性疾患に対するなどの血液浄化療法などの各種の高度集中治療にも対応いたします。
年間入院数は約160例、うち人工呼吸管理症例の年間入院数は約70例、出生体重1,500g未満の極低出生体重児の年間入院数は約40例(うち1,000g未満の超低出生体重児は約20例)であり、日本周産期新生児学会専門医制度研修基幹病院として認定されております。平成13年のオープンから平成30年12月間までの超低出生体重児の治療成績は、出生体重別での評価(図)、出生時在胎週数別での評価(図)いずれも、全国NICUの治療成績の統計と比較して良好な成績を得ております。
また、外科疾患に関しても積極的に取組んでおり、心臓外科疾患・小児外科疾患・脳神経外科疾患を中心に年間約20例以上の手術を行っております(未熟児網膜症に対するレーザー治療は含まず)。
フォローアップ外来は、NICU(新生児集中治療室)専属医師が担当し、NICUを退院されたお子さまの成長・発達の支援を行っております。
また、早産児で問題となるRSウィルス感染予防の予防注射(シナジス®)も併せて行っております。里帰り分娩などで他院でお生まれになり、出生後東京都へ来られたようなお子さまについても診療させていただいております。お気軽にご相談ください。