2024年04月01日 現在
近年、新生児医療は飛躍的に発展してきました。出生体重1,000g未満の超低出生体重児を救命できるようになり、現在では「救命」から「障がいなき成長・発達」へと新生児医療の役割は変化してきております。ハイリスク児としてお生まれになったお子さまの多くが、退院後問題なく成長、発達していきますが、出生時の脳の未熟性のために一部のお子さまでは運動機能障害、あるいは知的発達の問題を発症する場合があります。しかし、このような問題を発症したお子さまでも、理学療法等の早期介入を行うことにより、発達を促せることがわかっております。
未熟児フォローアップ外来では、臨床心理士と協力し、ハイリスク児として出生し、退院されたお子さまの成長・発達を定期的に評価し(図1、図2)、問題があれば早期に療育(小児のリハビリテーション)へつなげていき、お子さま、およびご家族の支援を行っております。
未熟児フォローアップ外来は、NICU(新生児集中治療室)専属医師が担当し、ハイリスク児として出生されたお子さまのすべての医療的問題の窓口となるべく、トータルマネージメントを心がけております。早産児で問題となるRSウイルス感染症の予防注射(シナジス®)も併せて行っております。
また、里帰り分娩などで他院で出生され、東京へ戻られたあと、成長発達のフォローアップが必要なお子さまについても、積極的に受け入れております。
診療医長/准教授 小林 正久
DQ値 85%以上が、正常発達となります。
2011~2015年に出生した極低出生体重児(出生体重 1,500g未満)の3歳児の新版K式発達検査結果(出生週数別)
DQ値 85%以上が、正常発達となります。
2011~2015年に出生した極低出生体重児(出生体重 1,500g未満)の3歳児の新版K式発達検査結果(出生体重別)