本文へジャンプ

小児内分泌外来

2023年04月01日 現在

診療内容

当科におかかりのお子さま・ご家族の方へ

乳児期から思春期・青年期にいたるまでの小児内分泌疾患の診療を行っている外来です。

内分泌疾患とは、主に脳下垂体・甲状腺・副甲状腺・膵臓・副腎・性腺(精巣や卵巣)・骨・脂肪細胞などから分泌されるホルモンの量あるいは質の異常によって起こる病気であり、成長の障害を含め、さまざまな症状が認められます。具体的には成長ホルモン分泌不全性低身長症、下垂体機能低下症、中枢性尿崩症、甲状腺疾患(先天性甲状腺機能低下症、橋本病、バセドウ病など)、副甲状腺疾患、糖尿病(1型、2型糖尿病) 、副腎疾患(先天性副腎皮質過形成症、アジソン病など)、性腺疾患(思春期早発症、性腺機能低下症)、性分化疾患、肥満症などがあげられます。さらに染色体異常(ターナー症候群やプラーダー・ウィリー症候群など)や骨系統疾患(軟骨無形成症・低形成症や骨形成不全症)も含まれます。

私どもは日々これらの小児内分泌疾患の診断・治療にあたっております。

診療副部長/母子医療センター副センター長/教授 宮田 市郎

当診療科の得意分野・特色

低身長症に関する診療

低身長(身長が-2 SD以下)をきたす代表的な疾患には、①成長ホルモン分泌不全性低身長症、②ターナー症候群、③軟骨無形成症、④SGA性低身長症(子宮内発育不全)などがあります。これらの疾患に対する治療は成長ホルモン治療になります。


現在、成長ホルモン治療中の患者さんは当科で80名ほどおります。ただし、低身長のお子さまがみな成長ホルモン治療の適応になるのではありません。私どもは外来や入院にて精査(成長ホルモン分泌刺激試験、手根骨・脊椎・骨盤のレントゲン、頭部MRI、染色体検査など)を行い、治療適応があるかどうかを評価いたします。身長が-2 SD以下(特に-2.5 SD以下)のお子さまがおられましたら、受診をおすすめします。受診の際には、母子手帳とともに身長・体重の記録もご持参ください。


なお、成長ホルモンの分泌が足りなくて低身長をきたす成長ホルモン分泌不全性低身長症の典型的な成長曲線パターンを図にお示しします。


成長ホルモン分泌不全性低身長症の成長曲線

最近、当外来では軟骨無形成症に対してCNP製剤(ボックスゾゴ®️)による治療も行っております。

甲状腺疾患に関する診療

首の前面にある甲状腺という臓器からは甲状腺ホルモンが分泌されています。甲状腺ホルモンは全身の代謝に関わるホルモンであり、分泌が足りなくなると甲状腺機能低下症、分泌が過剰になると甲状腺機能亢進症を引き起こします。


甲状腺機能低下症には先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)や橋本病、甲状腺機能亢進症にはバセドウ病などがあり、橋本病やバセドウ病では甲状腺が腫れてきます。甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモン薬、甲状腺機能亢進症では甲状腺ホルモンの合成を抑える抗甲状腺薬の内服によって治療します。


当外来では多くの甲状腺疾患の患者さんを診ております。

思春期早発症に関する診療

思春期とは、子どもが成長して大人になっていく過程で心身ともに変化する時期のことで、女の子は10歳頃、男の子は12歳頃から始まってきます。

この思春期が2~3年程度早く始まってしまうのが思春期早発症です。思春期早発症で問題になることとして、


1. 一時的に身長はよく伸びるが、早期に体が完成してしまうので、小柄のままで身長が止まってしまう。
2. 幼い年齢で乳房・陰毛・生理などが出現するために、本人や家族に心理社会的問題が生じる。

などの点があげられます。脳などに腫瘍が認められる場合もありますので精査が必要です。よくみられる特発性中枢性思春期早発症(原因が不明で女の子に多い)では、LHRHアナログという薬を4週間に1回、病院で皮下注射して治療していきます。


思春期早発症を疑う際に、皆さまが注意すべき症状を表にお示しします。

当外来で診療する主な対象疾患

下垂体疾患 汎下垂体機能低下症、中枢性尿崩症、下垂体性巨人症、など
成長ホルモン関連疾患 成長ホルモン分泌不全性低身長症、SGA性低身長症など
甲状腺疾患 甲状腺機能亢進症(Basedow病)、甲状腺機能低下症(橋本病、クレチン症など)など
副腎疾患 Cushing症候群、Addison病、先天性副腎皮質過形成症
性ホルモン関連疾患 思春期早発症、思春期遅発症など
血糖値の異常 糖尿病(1型・2型)、高インスリン血性低血糖症
染色体異常 Turner症候群、Prader-Willi症候群など
その他 くる病、副甲状腺ホルモン異常症、アルドステロン症、軟骨無形成症など

当外来で診療する主な症状

からだの大きさの変化 背の伸びが悪い、急に背が伸びてきた、早く乳房がふくらんできた
からだの症状 動悸がする、疲れやすい、集中力が乏しい、骨折を繰り返す、生理が来ない

各専門外来・外来診療

No

専門外来枠名称

概要

外来診察日

主な担当医師

1

内分泌外来

小児内分泌疾患全般

第1・3・4・5週 水曜日(午後)
第1・2・3週 水曜日(午後)

宮田 市郎
木村 妙

2

思春期・内分泌外来

小児内分泌疾患

木曜日(午前)

宮田 市郎

  • 初診手続時間

    • 平日8時00分~11時00分
    •   11時00分~15時00分
    • 土曜8時00分~11時00分
  • 休診日

    • 日曜・祝日
    • 大学記念日(5/1、10月第2土曜)
    • 年末年始(12/29〜1/3)
  • 知りたいことが
    見つからない場合は

    • 症状検索

    • 病名検索