東京慈恵会医科大学附属病院に併設された新橋健診センターでは、最新の医療検査機器を取り揃え専門の医療職が人間ドックを中心に皆様の健康管理をさせていただいています。その対象は、特に症状がなく通院もされていない健康であろうと思われる人々にとどまらず、疾病を抱えていたとしてもご自身の全身的な健康を確認に来られる方々も含まれます。このことは私たちの大学に取ってはとても大きな意味を持っていると考えています。
1881年の開学以来、学祖高木兼寛により示された「病気を診ずして、病人を診よ」という本学の建学の精神を私たちは大切に継承しています。病気そのものだけを診るのではなく、病気で苦しむその人自身に寄り添う医療を行おうというものです。
高木兼寛の功績の一つには、当時原因がわからなかった脚気を激減させたことが挙げられます。脚気に苦しんでいた海軍軍艦の船員たちに白米だけでなく麦を混ぜた食事療法を導入し、その苦しみから開放したのです。食事の内容により病気を予防できた良い例だろうと思います。これは後にビタミンの発見に繋がりました。
人間ドックでは、とかく病気を見つけるということに主眼が置かれることがあろうかと思います。悪性腫瘍を早期の段階で発見するということは人間ドックの大きな役割であることは当然のことだと考えます。そのために様々な検査機器と教育された医療職により十分な体制を取っています。
しかし、それと同時に皆様の生活習慣を一緒に振り返り、人間ドックが自身の健康と向き合う機会となることがもう一つの役割だと考えています。そこで人間ドックをお受けいただく際には、お一人おひとりの生活状況について詳しく聞かさせていただきます。朝食を摂るか、飲酒や喫煙はどうかなど様々な質問をさせていただいています。また血縁の方の病歴までもお聞きしています。生活習慣や遺伝的背景は、糖尿病・脂質異常症・高血圧などのいわゆる生活習慣病だけでなく多くの悪性腫瘍の発症にも影響を及ぼしています。遺伝要因は変えることができませんが、生活習慣を見直すことで健康寿命を伸ばすことが私たち人間ドックに携わる医療職の目標なのです。
ご自身の健康づくりの一助として当健診センターでの人間ドックをご活用いただきますようお願い申し上げます。
新橋健診センター長:新 智文
診療部長 | 新 智文 |
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医長 | 伊藤 恭子 |
診療医員 | 小林 寛子、三間 康之、中田 正裕 |
医師数 | 常勤5名、非常勤12名 |
統括センター長 | 島田 貴 |
東京慈恵会医科大学創設者高木兼寛による「病気を診ずして 病人を診よ」の教えに基づき、質の高い医療を実践し、受診者様から信頼されるセンターをめざします。
医療は健診受診者と医療提供者との信頼関係で成り立っております。当センターでは、すべての受診者に次の権利があるものと考え、これらを尊重した医療を行います。
当新橋健診センターは、昭和23年に、労働衛生管理相談所を前身として設立。健康に関するよき助言者として、18歳以上を対象とした人間ドック、専門ドックほか各種の健康診断を行っています。
年間受診者数 11,212名(2022年度実績)
(内訳)
年間受診者数 11,568名(2023年度実績)
(内訳)